2018-01-01から1年間の記事一覧

お正月の思い出

いつもの喫茶店が、珍しく満席である。 食器の音と、行き交う店員の慌ただしさで、 大晦日を味わっている。 長い人生の中で、一年に一度必ず来るお正月。 多分、一度たりともこの儀式ごとは、外したことはない。 いつのお正月が、思い出深いかを考えれば、 …

ささやかな忘年会

主婦ならば、大晦日の猫の手も借りたい日に、芦屋のフランス料理店、ムートンドールで、優雅なランチタイム。 もちろん、年はとっているが、皆独身である。 なので、お正月が来ようが、クリスマスが来ようが、どこ吹く風。 「孫が」「嫁が」そして「旦那が」…

高齢者の大通

寒い、寒い、寒い! 本当に寒い! いつから、こんなに寒さに敏感になったのか? 朝、目覚めると、ガバッと起きれない。 脚が針金のように硬い。 手も、痺れ気味。 何より、脳が覚醒していない。 自己判断においては、怖い状態である。 年寄りにとっては、冬…

お正月を待ちわびる

元旦は、一年のカレンダーの中で、一番の大イベントである。 私は、お正月そのものより、二、三日前の今が好き。 なんとかやり終えた充実感と健康に終わった安堵感。 元旦はけじめの日。 今年の失敗を糧にして、来年こそは頑張るぞという話。 会社の扉は、来…

言葉は個性

「うぜぇー」 「くせぇー」 「すげぇー」 文字にするのも、憚られるような言葉を、 若く、美しい女性達が、普通に発している。 聞いていると、何故か、心がチクチクする。 「そんな綺麗な顔して、どうしてそんな言葉が出るの?」 と、素直に感じる。 言葉の…

新しい人間の誕生

売れ残った、クリスマスケーキが、大量廃棄されたことを、ニュースで知った。 言葉にならないほど悲しい。 食べ物が無くて、飢餓で死んでゆく子供達の姿が、思い浮かぶことはないのだろうか? 捨てた業者も、店の店員も、当たり前のように 業務をこなしてい…

高齢者の覚悟

お正月が来るたびに、寿命が近づいて来る。 と思っているのは私だけなんだろうか? 最近は、物を買う時も考えてしまう。 毎日の生活用品はかまわないが、 身に付ける物や、長く使うものは躊躇する。 セールで安くなっているコートに、うっかり手が出ると、も…

お部屋で買い物

女性向きファッション雑誌は数多く、本屋の店頭に並んでいる。 値段も内容も、さほど違いはないが、 ターゲットの年齢によって、ファッションのブランドが、分別されているようだ。 家庭画報やミセスなどは年齢層は高い。 25ansなどは、かなりセレブ色が強く…

整理整頓

いらないものを捨てて、いるものを配置する。 昔の四文字熟語のように、古びた響きがある。 時々、テレビで、御宅訪問の番組がある。 美しい、若い女性の自宅にいきなり訪問、行く方も行く方だが、簡単に、入れる方もどうかなと心配してしまう。 ドアを開け…

儀式もイベント?

聖なるクリスマスが、さっさと終わると、 明日からは、いきなりのお正月モードに切り替わる。 デパ地下に行けば、クリスマスがあった事さえ忘れるほどの、お正月商戦に突入。 毎年、同じことの繰り返しであっても、まるで初めてのお祝い事のように人々は乱舞…

ハッピーエンドになりたい

親が甘やかしたわけでもないのに、 私は、わがままな人間になった。 父は厳しく、母は亡くなり、 途方にくれた私を育てたのは、 本棚に並んだ本である。 スマホやゲームなど、なかった時代に、 唯一の情報源は、数々の本。 母が子供達に残した大切な遺産であ…

ローブ、デコルテを身に付ける歳

デコルタージュ、 フランス語である。 女性の最も、美しい部位を表す。 ロープ、デコルテを着こなせる女性は、 日本では、数少ない。 モデルや女優が、パーティやイベントで装ってはいるが、簡単なドレスではない。 ただ可愛い、美しいだけである。 ヨーロッ…

たった一度の聖夜を待つ。

聖夜のために、冷たい雨が降る。 白い小さな粉雪に変わる事を、願って。 小さな窓から、帰らぬお母さんを待つ子供達の姿が見える。 生き場所のない人達が、コートの襟を立てて、 さまよう姿が見える。 サンタクロースが来ない人たちにも、 必ず訪れる美しい…

年寄りの冷や水

今年で、ブログは終わりにしょうかと、落ち込んでいた。 「一瞬で人の心を揺さぶる1行が大切なんで」 超人気の若者が、テレビで答えていた。 確かに言語がすごい。 そして、1秒で読ませるテクニック。 「なるほどー!」 その人はツィッターで、その場で投…

人はいるのに人手不足

最近、あちこち福祉関係の会社から、 「働きたい人紹介してほしい」 との依頼がある。 もちろん、福祉の有資格者が生徒さんなので、 知ってはいますが、人材派遣ではない。 医療、介護の人手不足は、過去最高である。 少子化だけではない原因もあると思う。 …

ハレ、ケ、ケガレ

お正月まで、後、10日。 目前にはクリスマスがある。 どこに行っても、人、人、人。 豊かな日本が垣間見える。 昔から、ハレ、ケ、ケガレという言葉があるように、繰り返しの一年である。 穏やかな日常もあれば、不幸にも、見舞われ、 それを吹き飛ばすた…

最後まで残る人達

幸いな事に、私に近しい仲間達は、話せば分かる人達である。 意見が違って、エキサイティングするときもあるが、最後は静かに終結する。 何故なら、自分がこうしたい、こうしてほしい というような問題ではないからである。 それぞれ、似ても似つかないよう…

有資格者の質を問う

「貴女は言葉に敏感だからね」 「神経が繊細だからね」 傷ついた原因は、こちら側にあるのか? 言葉に敏感、神経繊細、何が悪い! 傷ついた本人を前にして、遠慮げに言いつつ、 貴女の身体が特殊と言ってることに気がつかない。 同じ日本語を使い、皆神経の…

大いなるミッションの始まり

「英語、無料で教えます」 近所の家の前に、こんな看板が出ていた。 中学生になって、生まれて初めて英語の授業があった。 私学だったので、文法の授業の他に、英会話の授業があり、アメリカ人の女性の先生が担当していたのは、珍しかったかも知れない。 今…

傷ついた天使のはね

セクハラ、パワハラという言葉が、私の若い頃にあれば、訴えていたかも知れない。 「この人が、セクハラしました。」 「あの人が、パワハラしました。」 一言で済んでいたはずである。 女性としての恥じらいや社会人としての世間体を考えれば、決していうべ…

最後の手作りケーキ。

33年前の、森永クッキングスクールのレシピの中にあった、chestnut.mont.blant(チェスナットモンブラン)を、思いつきで、姉と作って見た。 何しろ、レトロなケーキなので、どうなるかはお楽しみと言いながら、老婆二人の昔取った杵柄。 「今更、こんなレ…

南海トラフが来る前に

次なる、大地震のために、阪神大震災の直後から、備蓄し続けて来た。 あれから23年が経ち、人々の記憶から薄れてゆく悲劇。 しかしながら、あれ以来、日本の各地で命を奪われる災害は、忘れる事なく襲って来ている。 ここ一年は、テレビの報道番組で、南海…

鏡の中のお付き合い。

数年ぶりに、懐かしい女性と再会した。 思わず、手を取り合い、元気である事を確かめ合った。 若い頃に初めて行った美容院の美容師の女性である。 今も、第一線で、働かれていると言う。 同じ年頃でもありながら、彼女の接客、技術は 若い頃から、並外れたも…

若い介護員。

「身体介助の中で、どの介助が得意ですか?」 そんな質問をした事がある。 「食事介助です」 「では、苦手な介助は?」 「オムツ交換?」顔を見合わせて、しんまいの介護員は答える。 彼らにとっては、食事介助は、命に関わる介護でもなく、利用者にとっても…

お金で命は買えない。

ほとんどの人が、自分はまだ死なない、災害には会わない、事故には遭遇しないと思っている、いえ、願っているのかもしれない。 残念ながら、人間は必ず死ぬし、南海トラフは 避けられないし、事故には巻き込まれる可能性は大きい。 「この間、紹介したお友達…

パリを想う。

元々、フランスはレジスタンスの国民。 歴史的にも、フランス革命もあり、ドイツナチスに立ち向かい、現代に至るまで、何かあればデモの国である。 航空会社の社員までデモをするので、フランスに行くときは要注意であった。 特に年末、ノエルの前にはなにが…

思ってもいなかった人生。

朝、家を出ると、あまりの寒さにコートの襟を立てた。 歩き出すと、少し、心臓が緊張して来る。 ヨーロッパの冬のような冷たい風と、太陽の出ない暗さの道を、久しぶりに低いヒールを履いて出かけた。 「途中で痛くなるかも」 との、不安を振り払い、細いヒ…

老後貧困

「生活保護、受けれますか?困ってます。」 最近、後期高齢者に近い女性達が相談に来る。 全くもって、姿からは想像できない人である。 御主人が早くに亡くなり、莫大な遺産を受け継がれて、未亡人とはいえ、悠々自適の生活。 不幸があっても、羨ましい限り…

おっちゃんの救世主ユニクロ

チョンマゲに褌の歴史を経て、よくぞここまで来たものだと感心する。 どの時代にも、振り返ってしまうくらいの、素敵なファッションの女性は多くいた。 ところが、男性においては若者もおっちゃんも、ファッションには程遠い出で立ち。 一昔前、元旦、初詣の…

家系図から消された人

粘土をこねる様に、一人の人間を陥れる作戦は、阿吽の呼吸で、いつからか始まって行く。 自分が善人になるための、防波堤、つまりは生贄を作らねばならない。 歴史小説を振り返っても、悪人と善人は見事に、設定されている。 第三者が客観的に作るドラマには…