2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧
お昼間でも、ガラス越しのランプ照明が、しっとりとした趣で、つい足が止まり、店のドアを開けた。 幹線道路沿いの路面に面しているのに、中は、 静かな佇まいである。 日本古来の茶器から、ヨーロッパの繊細な食器、昔ながらの伝統と技術で創作された美術品…
夜眠りについて、4時ごろまで1時間ごとに、 目が醒める。 致し方なくトイレに行き水を飲んでまた眠る。 その繰り返しで、朝目覚めた時には、 身体は鉛のように重く、朦朧気味。 それでも、身体を引きずりながらでも、全ての用事をルーティンにこなし、ホッ…
美しい、若い女性が、 「結婚する相手はいません。」 堂々と、おっしゃる。 私たちの時代は、25歳を過ぎて一人でいると、何か訳あり?と不信感を抱かれる時代であった。 そうでないとわかると、おせっかいおばさんが出てきて、お見合いをセッティングする…
街の中を、粉雪が舞い散り、真っ白に浄化してゆく最も美しき聖夜、クリスマスイブの日まで、貴方の命を繋ぎたい。 その日が来たら、「頑張って!」とは、二度と言わない。 神様の愛の中で抱きしめられて、静謐な優しい時間を味わいたいと、願っている。 それ…
最近、保育園の問題、事件の報道が多くある。 保育士の虐待、園の不正受給など子供にまつわる問題であるだけに、不安が広がる。 今でこそ、保育園にいれる事は当たり前になっているが、3、40年程前は肩身がせまい風潮であった。 私も働いていたので、お世話…
「親の背中など見たくもない」 と、思っている人も少なからずいるはず。 私もその一人ではあった。 もはや亡くなったので罪はないが、 幼い頃から、親とはいえ耳を塞ぎ、目を覆いたいと感じた事もあった。 親子という縛りの中では、抵抗できずに見て見ぬ振り…
数日前、小さなお花屋さんの店先にピンクのカサブランカが、無造作にバケツに入れられているのを見つけ、思わず三本ほど購入した。 昔から頂き物は別として、家に自然の庭もあったせいか、買ってまでお部屋にお花は飾る事はなかったのである。 ましてや、庭…
人の最後の経験は、自分の死である。 50代を過ぎた頃から、死は身近になり、 死を知りたくて、関する本を読んだり、人の話を聞いたり、果ては宗教にまで手を出したことがある。 死という言葉自体、日本人の多くは忌み嫌う傾向があり、あまりあからさまに言葉…
若い頃から、自分のイメージは固定しており、髪型、化粧、ファッションは固定している。 突拍子もなく華美なものはなく、形も色合いも、ほぼスタンダードな装いである。 クローゼットは、女性ものとは思えぬほど、 黒っぽいものが、揃っている。 そんな私も…
生きていても、まともな時はあと10年が、 限界かな。 もちろん、それまでに大病したり、死んだら終わり。 「人生終わったわー」 若い頃から、嫌なことがあるとよく言った言葉である。 最近は、「いえいえ、生きてるから、まだ終わりませんよ」と言い聞かす…
私達の年代で、エンディングノートを書くのが、一時流行ったことがある。 福祉会館の教室や、ショッピングモールのイベントや個人のサロンで開催されていた。 その頃は、全く興味もなく、誘われても断ってはいた。 最近、ふと思うことがあって、私風エンディ…
人の噂話は面白い。 綺麗事の裏にある悪口は止まらない。 舞台で漫才をしていた人が、専門家のように、 話し出す。 起こった事実だけを伝えるアナウンサーが、 生意気にも意見を言う。 日本国民として、小さなささやきくらいしか話せないこんな年寄りですが…
一瞬で、背中合わせになる別れ。 もう二度と、共には同じ道を歩きはしない。 「うん?」 と感じたあの日から始まり、積み上げてきた別離への道。 出会った日に、こうなることも想定されていたように思える。 視界の中にいた人を、追い続けてきた目線が、 も…
「あの、若先生大丈夫?」 「大丈夫みたいよ。この頃患者さん増えてきてるから」 本当かいなと、不安になる。 今からこれから、私のために診てもらいたかったのに、何で辞めるんよ!と、ぐちもでる。 子供が、1歳の頃から、家族中がお世話になっていたドクタ…
昔から、あえて、朝食を食べずに、喫茶店でモーニングを食べに行く習慣があった。 何度か、住まいやオフィスが移転しても、 かならず、落ち着く場所が見つかる。 私にとっては、仕事前の心の準備と、癒しであるので重要度は高い。 店の前を通れば、コーヒー…
「僕ら、60代は、中途半端ですわ」 と、今年還暦の男性が、呟いた。 一昔前なら、赤いちゃんちゃんこ来て、 「お爺ちゃん、おめでとう!」 おめでたくもないのに、もう、どうぞゆっくり、余生を送って、老人扱い。 しかし、今では、ユニクロのダウン着て、…
ドアを開けると、いきなり、 「あんた、誰!」 と、怒鳴られる。 「〇〇事業所のヘルパーです」 など、言おうものなら、 「いらん、いらん、帰ってんか」 と、言われるのが落ちである。 認知症、及び、その疑いがある高齢者は、 その日、その時間、その都度…
初めて会った瞬間に、ビビッと来て、結婚し、 失敗した人もいる。 まあ、感覚的な人は、こんな感じで、 失敗しても苦にせず、またの出会いを待つ。 仕事柄、たくさんの人に出会いすぎたのか、 最近は、私情的な感覚で、人を見る事は、 なくなってしまい、多…
嚥下障害により、食事が、口からの摂取困難となり、中部栄養カテーテル留置が、決定した。 世話をしてくださっていた看護師さんや、周りは、皆、口を揃えて、 「可哀想に!食べるのが楽しみの人なのに」 と、気の毒がる。 人間の当たり前の暮らしの中で、食…
女性のための、化粧品やサプリメントの通販テレビに、一般女性が出演する。 何故か、必ず、年齢も紹介される。 その数字からは、想定外の女性達の姿を見て、 効果を演出する。 女優さんほどの美人ではなく、自分とはかけ離れていない女性達を見て、 「私にも…
夜が明けるのが遅くなり、ベットから、離れ難い季節になって来た。 しとしと降る雨が、窓ガラスを濡らしている。 灼熱のあの夏が、嘘のようである。 あれほど、秋を心待ちにしていたはずが、 少し重く、少し暗めの風が、気持ちまでも、 落とし込んで行く。 …
自分を、布にたとえたら、プラスティックの様なタイプの人は、合わないだろう。 人間のタイプの話である。 ガラス細工の様な人。 少し硬めの、鉱物の様な人。 冷たさのある氷の様な人。 太陽みたいな人、月みたいな人もいる。 初めて、出会った瞬間から、い…
雑談の中で、 「生きてるのが、嫌になるほどの苦しみを、味わう事になるでしょう」 と、ある人が、静かに呟いた。 思わぬ答えに、私は、顔を上げた。 この言葉は、私の心に、引っかかってはいたが、その時は、深くは取り上げはしなかった。 しかし、その後、…
朝から、バタバタと、自分の定期検診に、 元気に出かける。 普段の朝は、身体もだるく、もたもたしているが、病院となると、何故か元気になる。 ほんとはしんどい時に行くところだが、 2ヶ月に一回のメンテナンス。 最近は、テレビでも、かなりの高度な医療…
昔から、外国人と、偶然、必然もあって、 知り合いが多い。 若い頃から、肌の色や目の色などを気にする観念が、私には、無かったようである。 むしろ、言語が違い、常識が違い、生活習慣が違う事に、興味と憧れがあった。 特に中国人の方々とは、仕事の関係…
全く、以前は、自分の身近には、聞かない言葉であった。 最近は、高齢の女性たちの会話の中で、話題になる。 元、富裕層の女性が、生活保護受給者に、なった話をよく耳にする。 平均寿命は、女性の方が、長いので、 当然妻の方が、残される。 長寿なので、年…
また、日本人が、ノーベル賞を受賞した。 喜ばしいことだと思う。 いつも感じる事だが、テレビでのインタビューでの受け答えに、感動する。 すごい発見や発明をされたことは、 とてつもなくすごいことである事は、確かであるが、何より、その人柄や人物が、…
樹木希林さんのおかげで、別居結婚が、 いい意味で、世の中に出た。 私は、一般人だったので、理解される事もなく、当時は、公にはできず、一部の人しか知らなかった。 「ご主人は?」と、聞かれて、 「実は、数年前に・・・」 と言って、殺してしまった事も…