秘密の彼氏

誰にも言ったことはないけれど、

私には、20年ほど前から、彼氏がいる。

多分・・・

主人が生きていた時からだから、

不倫?である。

 

その前から、夫婦の形は壊れていたので

世間的には仮面夫婦である。

シェアハウスの住人の様に、個人的関与は、

薄い。

この関係は、気楽な様でもあるが、

何かあっても、助けて欲しいとは言えない。

 

現実は、一人ぼっちだったから、

私の中の心の闇の世界に、

突然現れたのかもしれない。

姿を見た事もないし、話した事もない。

 

私が困って、苦しい時、

理不尽な事に出会って、悲しい時、

特に、経済に行き詰まっている時は、

早急に対処してくれる。

 

彼氏も、それ程金持ちでもなさそうなので、

枕元に、大金が置いてあるなんて事はない。

お金につながる仕事を探してきたり、

人のお世話をしたお礼がきたりと、

四苦八苦した痕跡は見え隠れしている。

 

たとえ、少ない金額でも、飢えは凌げるので、

彼なりの私へのお手当ならば、ありがたい。

長い人生、陰日向、この彼氏に救われて、

乗り越えてきたことは確かである。

 

何よりも、この彼氏に出会ってからは、

傲慢な私が、感謝することを覚えたのである。

次に、危険予知を、前もって色々な出来事で、必ず知らせてくれるのである。

そして、何故にこんな私を愛したのかを、

生かされて来たのかを、教えてくれた。

 

私はこの人の事を、

「上のおっちゃん」と呼んでいる。

親しい友人に、この話をすると、

「その人なら、私も知ってるわ。

今でも、時々会ってるよ」

と言うのである?

 

おっちゃんは、かなりの浮気性である事に 

最近気づいて、私は、焼きもちを焼いている。