久しぶりの外出である。
前から歩いてくる人も、
駅に集まる学生たちも、
近所のおばあさんまでも、
マスクで顔が半分に。
コロナ対策の大切な一環ではあるが、
かつて見たことのない、異様な風景である。
そう言う私も、マスクをしている。
普段から、少し喉がイガイガしてると、
どちらかと言えば、マスク着用派である。
マスクは安心の小道具。
まず、感染を防げるのは当たり前。
しんどい時には、知ってる人から身を隠す。
口元が見えないから、眼がものを言う。
社会から逃げ込むような引き篭りではなく、
「自粛要請!」
と言われると、堂々と、家にいられる。
ただ、一瞬で、
都会から、人が消える光景は、
恐怖と不安に繋がってゆく。
半分が虚な、覚めない世界になった。
人の顔に、モザイクがかかったような、
マスクの顔は、続いて欲しくは無い。
笑っている顔、
怒っている顔、
疲れている顔、
いろいろあってが、本来の人間の姿である。