友人から、ランチを誘われると、
億劫になって来たという。
春を飛ばして、いきなり夏になったから、
着ていく洋服がないという。
病院もエステも行けずで、外出不可能。
あれほど、1週間のスケジュールがあり、
動き続けていた高齢者が停止した。
「年寄りは、三日寝たら、寝たきりになる」
と、言われていたが、本当にそうなった。
筋肉も贅肉も、動かしてなんぼ。
使わなければ、ただの肉。
三日どころか、三ヶ月近く自粛生活を、
していると、動かす度にギシギシと鳴る。
身体が動かなくなるより怖いのが、
心までも、停止する事。
山登りや買い物に行っていた友人が、
「家が楽になって来たんよ」
「主人の体調も悪いから出られへんわ」
かつて、聞いたこともない話。
その言葉自体で、病んでいる。
家事を済ませて、後はソファでゴーロゴロ。
「しっかりしてよ!」と叫んでしまう。
後三ヶ月後に連絡しても、
電話に出なくなる恐怖を感じる。
高齢者は、グニャと心が壊れる。
自分に鞭打って、立ってるよりも、
静かに横たわっている事が快感である。
私の中にも、そんな気持ちが潜んでいる。