冤罪は何処にでもある。

世の中には、

意地悪な人もいる。

柄の悪い人もいる。

無神経な人もいる。

こんな人達よりも、最も卑劣な人は、

私は、冤罪をかける人だと思っている。

 

人間が傷つく原因の一番は冤罪だと思う。

何もしていない相手に対して、

巧みに周りを手玉にとって、支配する。

自分は手を下さずに、相手を被疑者にする。

 

知らないまどころか、誰よりも尽力し、

コツコツと真面目に生きてきた人が、

ターゲットにされやすい。

 

冤罪は一対一ではない。

関係のない周りまでが、叫び出す。

日本人の一番弱いところを突いてくる。

「あの人そんな人と違うよ!」

とは言えない状況まで落とし込む。

 

冤罪にかけられる人は、

冤罪を受け止めれる人である。

良かれと思っていたけれど、

あの人はそれが苦痛やったんか!

と、認めてしまう人である。

 

犯罪的なことは別として、

家族の中でも、友人の間でも、職場の中も、

冤罪は、起こりうることなので、

結果、家族と別れたり、友人と決別したり、

職場を辞めざるを得なくなったりする。

 

生きている間に、一度や二度は経験する。

小さくても大きくても、消えない傷となる。

相手にも釈明せず、誰にも言わず、

傷ついたまま、粛々と生きてる人が多い。

 

どこから見ても、いつも元気で明るい人も、

裸になれば傷は見えてくる。

この傷に効く薬は、病院にも薬局にもない。

 

しんどいのに、下界では見れない風景を見に、

山登りをする人。

一人静かに、音楽を聴いている人、

一生懸命仕事をしてる人。

何処かに、この傷につける薬はあると、

信じ続けて、生きている人達がいる。

 

長い人生の中で、

私にも、無数の傷が付いていたけれど、

相手に向かわず、決着もつけず、

ただ、ひたすら前を向いて歩いてきたら、

生々しい傷も、枯れていた。

 

私にしかわからないはずの奇跡が、

回り回って返ってくるのである。

遠い昔、私を傷つけた人を、

助けるような仕事が舞い込んでくる。

 

人を助ける職業に導かれたことに、

感謝である。