全てを受け止める
密閉された部屋の蒸し暑さで、目が覚めた。
窓を開けたら、
雨を含んだ雲が空一面に広がっている。
爽やかではないが、梅雨に抗うような、
冷たい風に、ホッとする。
幼かった頃、
日本家屋の瓦に、雨が当たる音を聴き、
大地に染み込んでゆく雨を、眺めていた。
「雨が止んだら、お外に行こう」
ゆっくりと流れていた梅雨時間。
風情のあった昔と違い、
あちこちで、被害が出るほどの嵐のような雨。
コロナ渦に、追い討ちをかけてゆく。
繰り返されてきた自然界の脅威を受け入れ、
人々は、乗り越えてきた歴史がある。
温暖化により、大地は燃焼し海水は干上がる。
猛暑の夏が、梅雨を飛び越えてやって来る。
ウイルス感染
洪水、
燃える山々、
バッタの大群、
旧約聖書を想起させるような出来事。
目を瞑れば、遙か、海の向こうに、
「ノアの方舟」が見えてきた。