介護の崩壊

介護職はおばさんの宝庫である。

 

介護保険は、医療保険よりずっと後で、

2週間ほどで、修了証が取得できて、

介護関連の現場で、即働ける。

 

子供の手が離れ、お小遣い稼ぎに、

もってこいの職業である。

普段の家事に、医療的な知識と技術が、

加わるだけである。

 

相手が、高齢者や障害者なので、

お世話すきの人や、貢献したいと思う人には、

ぴったりはまり、自分が反対の立場になるまで

働き続ける。

 

その間、介護職の資格が順次あり、

知らない間に、上級資格までゲットできる。

必然的に、会社からも重宝がられて、

役職がつき、給料もそれなりに増えていく。

 

気がつけば、介護施設の施設長も夢ではない。

と言うことで、ちょっとパートに出るつもりが

利用者を何十人も抱えるケアマネージャーに

簡単になれる。

 

同じ厚生省管轄でも、医療系は、

医者も看護も、医療の学校で学び、

国家試験を受けて、通ればインターン

現場に出るまでが長いのである。

 

かたや病院、かたや施設、

病気で治療もすみ、在宅で見てくれる人も、

いないので、自動的に病院から施設に、

連携は取られてはいるが、内容は異なる。

 

だから、本当におばちゃん天国で、

就職してくる男性も、女の子みたいな若者か、

一般の会社組織に弱い人などが多い。

 

利用者のおばあさん達も、優しい孫みたいな

男性を喜ぶ人もいる。

女性は、最初は優しいが、慣れてくると、

嫁みたいになってきて、怖いのである。

 

最近は、男性の介護員やケアマネージャーが、

増えてはきたが、何しろ勤め出したら、

上も下も横も、おばちゃん軍団。

 

だから、面接の時に、

「女性達とは、上手くやっていけますか?」

との質疑応答もあり。

言われた方は、若い女性なら嬉しいが、

おばちゃんか・・・と、返事のしようがない。

 

どうあれ、介護の現場は、

外から見れば、高齢者の暮らしを、

見守り支援するという建前ではあるが、

中に入れば、想像を絶する世界である。

 

酸いも甘いも噛み分けたおばちゃんでないと、

取り仕切れない世界かもしれない。

ただ、世話をするおばちゃんも、また、

高齢になり、次世代を育てていないと、

自分たちが困るのである。

 

鳴り物入りで、立ち上げた介護保険

コロナの影響もあり、追い討ちをかけて、

崩壊が始まっている。

 

どこかで、歯止めをしなければいけないが、

政府から見ても、社会から見ても、

トリアージ的発想からすれば、

置き去りにされている感はある。

 

必要不可欠なエッセンシャルワーカー

ではあるが、社会の中では目にも止まらない

プルーワーカーとして扱われてきた。

 

こういう人たちがいてこそ、

私達のライフプランが構築される。

砂上の城が、座屈してゆく事を、

今、誰かが止めなくてはならない。