子捕り

5、6歳の頃だったと思う。

近所の空き地で、よく遊んでいた。

現在のように、遊具が揃った公園など、

なかったように記憶している。

 

日が暮れるのも忘れて、夢中で遊び、

少し周りが暗くなった頃に、帰宅すると、

母が、

「そんなに遅くまで遊んでいたら、

子捕りにつれていかれるよ!」

と、怒られたことがあった。

 

昔話の絵本には、怖い話がたくさんある。

おどろおどろしい日本昔話。

今の子供達に読んで聞かせるような、

綺麗で、夢のような絵本ではない。

 

嘘をついたら、舌を切られる、舌切り雀。

母親が死ぬ前に、娘に被せたはち担ぎ姫。

悲劇の運命を辿る安寿と逗子王。

 

未来ある子供達に、

世の中、甘くはないぞ!

親の言う事を聞かなければ、

こんな人生になるぞと言う戒めなのか?

脅しなのか?

 

北朝鮮拉致問題をニュースで聞くたびに、

昔聞いた、「子捕り」が頭をよぎる。

どんな字を書くのかも定かではないが、

日本の子供が、他の国に盗られるという、

想像を絶する犯罪である。

 

他人事ではないのである。

どんな事をしても、日本の政府は、

取り戻さなくてはならない。

 

現在では、死語になっている言葉だが、

今でも、この言葉を聞くと、

背筋が冷たくなるような怖さを感じる。