お金が紙きれになる日

「そのうち治るやろう」

「なんぼ何でも、続きはせん」

戦後70年、経済大国になり、

悠々自適の日本国。

 

地震が来ようが、台風が来ようが、

傾く事なく、形をとどめてきたのである。

ちょっとやそっとでは揺るがない経済も、

今回だけは、別物である。

 

コロナも大雨も、そのうち治り、

ぼつぼつではあるが、元に戻るだろうと、

誰もが、希望的推測を持って、

今を、過ごしている。

 

「神様は、そげん、酷い事はせん。」

一昔前なら、そんな言葉通りになっていたが、

今回だけは、

「日本は立ち直れないかも!」

「日本は、世界から消える?」

と、密かに、脳裏をよぎっている。

 

今が大惨事ではなく、

嵐の前の静けさである。

何故なら、まだ、本当のパニックは、

来ていないのである。

 

コロナのせいで、給与も減る。

自分の預貯金を出すしかないか。

コロナのせいで、会社が潰れる。

倒産しても、夜逃げしなくてもOK。

コロナのせいで、働けない。

会社が保証するッショ!

 

全ての責任はコロナさんなので、

誰も騒ぎ立てないのである。

国が守ってくれると信じているので、

訴えていかないのである。

 

しかし待てど暮らせど、願いは叶わず、

物価が上がるだけではなく、

物が生産されないので、

捨てるほどあった物が、ある日消える。

マスクがいい例である。

 

世界の工場と言われた中国が、

もう、日本の思い通りにはならず。

物があっても、頼んでも、気分次第である。

 

そうなると、数少ない日本の製造業では、

間に合わず、

食料品も、ほとんどが輸入の状態。

慌てて、山川崩して、田畑作っても、

作り手おらずである。

 

だから、日本が元通りの豊かな国に、

復活するとは、思えないのです。

「数年後、日本は食糧難になりますよ」

と、言われた人物さえ忘れてしまった。

 

毎日、これでもかと言わんばかりの、

仕打ちに、

「大丈夫よ!日本人は努力家だから」

とは、絵空事

そんな問題ではない。

 

あの東北地震の惨劇の後、

津波も引いた、

大地に樹々も花も咲いている。

しかし、人間が住めない場所になったのは、

放射能汚染だけが残ったからである。

 

命を優先しない国、

お金を優先したが故の末路は、

終焉しかないのである。

お金では買えない物があることを、

思い知らされる恐怖を、感じている。

 

私の思い過ごしであって欲しいと、

願っている。