触ってもいいですか?

本当は、

「生きたい」と思っている人ほど、

「死にたい」と言う。

生死の境界線で、悶え苦しむ。

 

人は、一人では生きられない。

存在の価値を知るために生きているから。

相手に反映する自分を見つめて、

確信するのである。

 

「有難う」

「ごめんなさい」

「すみません」

このような言葉が聞きたくて、

障害者の人たちと関わったわけではない。

 

その立場に立っていることすら、

自分が、傲慢になってゆく。

私が、

健康である事、

身体が動く事、

言葉を発する事

でさえ、申し訳なく思ってしまう。

 

どうしたら、

貴方から見て、人として対等になれる?

貴方の世話をしてる事が、苦しめている?

 

貴方から、

「もう、死にたいの」と、言われた時に、

何一つ、納得できる返事もできずに、

「私も、死にたいと思うことがある」

と、馬鹿な答えしかできない私がいる。

 

どんなに知識があっても、

生々しい現実に立ち向かっている貴方に、

何も言えない臆病な私がいる。

「ごめんなさい」と、心で許しを乞う。

 

同じ時空の中で、二人は出会い、

見えるもの、聞こえるものは一緒、

一秒毎に、化学反応は繰り返されて、

奇跡は起こっている。