真っ白のご飯を、お茶碗によそった。
ナスのお味噌汁に、香ばしく焼いた秋鮭。
彩りに、甘めの玉子焼きを付け足した。
決して、豪勢なお料理ではないですが、
眺めていると、
「お食事が頂けている事が、有り難い」
コロナ、熱中症、大雨、洪水、
命に関わる出来事の次は、「アベック台風」
弱り目に祟り目とはこの事。
「苦しみの後には必ずいい事もある」
と、言って来た言葉は、撤回したい。
「神様は、どうしたいん?」
と、神様まで、引きずり出される始末。
どひょうしに、
天を仰いで、辞任された総理大臣の国は、
船長の消えた船になり、
嵐の中で、座礁する。
「船長は、船と共に最後まで」って、
よその国のことでした?
お偉い方々は、
どさくさ紛れに出ていく人あり、
どさくさ紛れに入ってくる人ありで、
「あっち向いてホイ」された感もあり。
それでも、みんな我慢しているのです。
辛抱しているのです。
嵐の吹き荒れる中、働き続けているのです。
誰一人、
「希望を失っていないから」
開け放した窓から、
ほんの少し、秋の風を感じる部屋で、
ささやかな食事を味わっている。