最高の介護とは

80歳(傘寿)の女性のお祝いに、

何が良いかと、友人の男性から、

相談された。

 

即座に、

(真っ赤な薔薇🌹のブーケ!」

と、答えた。

送る方も、若くはないので、

私の言われる通りに、用意したらしい。

 

紙袋に入った花束を、

エレベーターから取り出して、

レストランで待っていた彼女に、

「リチャード、ギア」ばりに

「HAPPY  BATHDAY❗️」

と、渡したそうな。

 

その瞬間、彼女は、

思わず、飛び上がり、

「男性から、お花を頂いたのは、

何十年ぶり❣️」

と、少女のような顔で、喜ばれたらしい。

 

 

友人から、その話を聞いた時、

自分のことのように嬉しくて、

思わず、友人に感謝を述べたのである。

 

女として、生き抜いた80年。

どうあれ、順風満帆の人生なんか、

誰にもない。

もう性別さえ、忘れるほどの歳である。

 

一瞬で、

身も心も、娘時代にタイムスリップ。

 

日々、

介護の話や、お葬式の話、

他人事ではなく、自分事として、

受け止めねばならない歳である。

 

「人、必ず、いつの日か死んでゆきます」

友人は、最後のボーイフレンドとして、

彼女の魂に刻まれたのである。

「最高の介護」に、なったと思う。

 

真っ赤な薔薇の花言葉は、

「貴女を、愛しています」、

私も、

死ぬまでに一度くらいは、聞いてみたい。