老人を敬う日

「今日は、敬老の日なんよ」

出会った息子に、ちょっと言ってみたら、

「あっ、ああ、ご苦労さん」

ニヤリと笑いながら、答えたのである。

 

面と向かっては、物申す事はないが、

娘なら、ペチャクチャとお喋りするが、

息子とは、何を言っても、

「おー」「あー」としか答えない。

「あんたはカラスか!」

 

自分の歳を顧みれば、

私の歳もわかってるはずだが、

普通に、仕事を依頼してくる。

こちらも、「ハイハイ」と安請け合い。

 

足が痛いやら、腰が痛いとは言えず、

ボケ防止の為と、引き受けて一年。

仕事の量が増え、内容に関われば、

息子の仕事の成果が、自ずとわかる。

 

昔から、

こっちも聞かない、あっちも言わない、

けったいな親子である。

社会から離脱した、仕事人間の私に、

何を与えたら、元気になるかを、

知ってるのかな?

 

と、言うような美談は、

私たち親子には、決して、ないのである。