「先生は、クールですからね」
と、元生徒に言われたことがある。
カチンとはこないが、
簡単に一言で、決めつけられるのは、
複雑である。
何故なら、
私の人生、人にホットすぎて、
この有り様だと思っているから、
意外である。
言った方も、深い意味はないだろうが、
この歳になると、取り返しのつかない人生、
自分を省みることが、よくある。
確かに、
周りの友人、知り合いを見ていると、
会えば、
孫や子供のことに、一喜一憂して、
泣いたり、笑ったりと、感情豊かである。
家族あっての自分があり、
そこに、存在の価値を見出し、
年寄りであっても、しっかり存在感がある。
私は、長い人生で、残したものに、
あまり執着がなく、
どんな家があり、どれほど資産があり、
どんな家族かには、
自分を反映させたことがない。
結果は、大切であるが、
充実した生き方をして来たかが、
重要度が高い。
と、なると、
情けない事に、0点がつく。
どこを見渡しても、存在価値など、
見出せないのである。
社会に貢献されてる教え子が、
「この道を選んだのは、
あの時の先生の言葉ですよ」
と、言われるとドキッとする。
何を言ったか本人は忘れているが、
そんな言葉で、道を決めて、
良かったのか悪かったのかは、
聞くのも、怖い。
クールと言われようが、
ええ加減な先生と言われようが、
今でも会いに来てくれる事は、
素直に嬉しい。