なんとも、秋晴れの、
コロナの事も、経済低迷の事も、
すっかり、忘れてしまいそうな朝。
現実に引き戻されるような、
ニュースが目に入ってきた。
「大塚家具の久美子さんが、社長辞任」
との、報道。
深い理由はないが、
私は密かに応援していた。
歩く姿が、百合の花の様に、美しく、
マイクの前で、毅然と話される姿は、
知性的で、今時、珍しく気品のある女性と、
感じていた。
どんな大企業の家族も、
一般の家族にも、
お家騒動など、当たり前。
外に出てしまったので、騒がれただけである。
親子の決裂など、自然の法則である。
結果を見れば、
歴然とした違いが出たとは、思うが、
創業者である父親を敵に回し、
未来を見据えた事業計画を推進し、
「遅れを取ってはならぬ」
と、戦いを挑んだ心意気は、拍手喝采である。
私の父も、
一代で、会社を起こし、資産を作り、
結果を出した人物であったので、
周りからは、有無を言わせぬ存在感であった。
父と向き合うときは、
「ベルリンの壁」に向かって、
言葉を発信するのと同じで、
出した言葉は、見事に跳ね返り、
言い負かすなど、100年早い!
しかし、
父の考えだけが、「絶対正しい」はなく、
未来を見据えれば、
その日が来なければ、分からないのである。
一言言えば、十言帰ってくる。
声には出さなかったが、
「そうそう、貴方の言ってることは、
ご無理ごもっとも!」
としか言いようがない。
私を生み、育て、自分の庇護の元、
「誰のおかげで、そこまでなった!」
と、昔の父親の合言葉である。
「気に入らなければ、この家からら
出て行け!」
最後の締めはこの言葉。
私には、
久美子さんの様な勇気も、知恵も、
持ち合わせていなかったので、
戦いはしなかったけれど、
彼女は、どう非難されようが、
一歩を踏み出し、失敗に終わったのである。
社会は、
賛否両論色々あれど、
「やっぱり!」とか、
「女だてらに!」とか、囁く人もいる。
彼女は、何一つ失ってはいない。
むしろ、逆風の中、
男の策略、悪意、意地悪にあいながら、
貫いたのである。
人生の中で、
小説にもなりそうなくらいのミッションを
経験したはずである。
まだまだ、若い彼女のスタートは、
今から始まる。
現実の過酷さ、
現場の悲惨さ、
を、嫌と言うほど知ってる女性が、
これからの日本を、リードして欲しいと、
願っている。
たった一人でも、
「私は貴女を、応援しています」
と、伝えたい。