誰にも迷惑かけないで

いつの頃からか、

75歳を迎えると、

後期高齢者」と、区分けされる。

 

より一層、

爺さん、婆さんになった証なのか、

サービスは増える仕組みである。

 

何を言われても、

高齢者は気にも止めてはいない。

 

医療、介護保険が、安くなったとか、

バス代が半額になったとか、

年金生活者にとっては、

その方が、重要度は高いのである。

 

私の周りの友人達は、

スポーツはゴルフにテニス

趣味は、フラダンスやコーラス

友人達とのランチやディナーと、

お盛んである。

 

腰が痛い、足が痛いなど、

言ってるのに不思議ではある。

 

「大丈夫なん?」

と聞くと、

「大丈夫なわけないやん!

帰ってきたら、階段這って上がってる!」

と、言うのである。

 

遊びの後には、

指圧にマッサージに怪しげな治療にと、

間に入れて、なんとか凌いでると言う。

 

誰よりも、

加齢により衰えているのは、

認識をしている。

「止めれないのである」

サメのように、動きをやめたら、

「死ぬ」と、思っている。

 

医学的にも、

高齢者が、あちこち痛かったり、

何をするにも、意欲をなくしたり、

寝てばっかりしたら、

筋肉が衰え、機能が低下し、

頭もボケてくると言われている。

 

誰にもバレない様、

一生懸命努力しているのである。

誰にも、迷惑かけない様、

お金をかけてでも、維持しているのである。

 

「お宅のお母さん、如何?」

と、尋ねると、

娘や嫁は、

「元気!元気!100歳まで生きれるわ!」

と、憎々しげに、言うとるのです。

 

いつの日か、

女方も、後期高齢者になったら、

わかる時が来るかも知れない。

 

いつ、実家に行っても、

笑顔で、孫を預かってくれたり、

ご飯を食べさせてくれたり、

元気そうにしていたのは、

「嘘」だった事が!

 

誰にも、言わないけれど、

実は、

親指が、動かなかったり、

足が痺れていたり、

辛い事、いっぱいある事を、

勝気な婆さんは、隠しているのです。