名前貸し

「名前だけで、いいので貸して欲しい」

と、頼まれることがある。

 

歳を重ねて、暇そうにしていると、

こんな事になる、

大抵、

自治会の会長やら、NPO法人の理事やら、

一般社団法人の理事長などである。

 

公的な事って、きっちりしてる様で、

いい加減なものである。

規定人数さえ合えば、OK、

住民票があれば、良しである。

 

「名前さえ、連ねてもらえれば、

後はこちらでしますから」

と言う。

「名前だけ貸すなんて、とんでもない」

と、一喝する。

 

そちらは都合が良くても、

こちらの都合は良くないのである。

いつも、ニコニコしてると、

アホみたいに見えるのか、

昔から、よく頼まれる。

 

私は、「長」とつく立場になるのは、

あまり好きではない。

会長、社長、委員長など、

引き受けると、ろくなことがない。

 

揉め事には巻き込まれるは、

分裂ありきで、相手から恨まれるは、

責任とって、悪くもないのに謝罪である。

 

自分自身の仕事なら、致し方ないが、

「なり手が無いんよ!」

と、穴埋め代わりは、ごめんです。

 

「ついつい、引き受けちゃったのよ」

と、友人達は、結構嬉しそうである。

一目置かれて、感謝されると言う。

そして、何より、

貢献した人として、

県や市から、表彰状が授与されるらしい。

 

私は、真っ平御免である!

公的なことを引き受けるときは、

動機が問題である。

 

ボランティアしたい!

貢献したい!

は、自分の為であり、他者のためでは無い。

 

途中で、

「しんどいから、辞めとくわ!」

では、人の為にはならないのである。