一匹の猿

震災や災害で、

人間が近寄れない場所に出向き、

命を救う自衛隊員には、

頭が下がる思いでいる。

 

日本の有事の時に、

泥の中を、火の海を、瓦礫の中を、

突き進む姿を幾度も見てきたのである。

 

今回も、とうとう、

自衛隊の看護師の出動となった。

もはや、自衛隊が出る羽目になるのは、

最後の手段では、ないのか?

 

それでも、

「経済と生命の両輪で」と、

言い続けている人の頭を疑う。

医療の崩壊の悲壮な声が上がる中、

現場を知らないリーダーの国は、

いずれ、地獄図になってゆく。

 

それでも、

自衛隊の人たちは、

目の前に繰り広がる、惨事の中で、

命を探し続けるのである。

 

コロナの悲惨な一年を通して、

見えなかったものが見えてきた事は、

確かである。

 

自分たちで選んだ、

知事や、市長の存在感は大きい。

平和な日常からは遠い人が、

非日常になり、近い存在になった。

 

他の知事や市長が、

命をかけて、市民を守る姿を見ると、

人間性は顕著に現れ、

自分の県の知事や市長とくらべてしまう。

 

知事であっても、自衛隊員であっても、

常に、若い命をかけて、

国民を思い、救う為に、突き進む信念は、

美しく、感銘を受ける。

 

そこに、

「一匹の猿」の仮説が、浮かんでくる。

英知ある一人の若者の行為、行動、

その思いが、世界を変える話である。