三千年待ったその日

24時間、365日、

電話が繋がる事業所を運営している。

 

有資格者のいる指定事業所である。

本業は依頼があれば、受けるが、

勝手にしているボランティアの、

方に、力が入る。

 

広告も宣伝もしていないので、

私との出会いか、

人から人へ、伝わるだけである。

 

相談事、

必要機関への連携、

命に関わる事態、

すべて、OKである。

 

尋ねてくる人は、

そんな事を知らず、気軽である。

若い人から高齢者まで、

ありとあらゆる悩みを聴く。

 

ドクターから、大病の告知をされ、

誰にも話せない不安な人。

一人暮らしなので、

鍵を預かって欲しいと言う人、

レストランに行きたいから、

一緒に食べに行って欲しい人、

LGBTではないが、女装に依存があり、

資格を取って、働きたい人、

安楽死のお手伝い以外は、

すべて、支援するのである。

 

深い井戸の底から、

必死で、私の手を、握りしめてきた人を、

その後に、どんな責任が降りかかろうが、

私は、その責任を受けることなど、

厭わないのです。

 

何故なら、

私の残された時間も、

彼らの残された時間も、

あと、わずかであり、

出会った瞬間が、

三千年待ったその日かもしれないからです。

 

空から、

「セーフ!」と、大きな声が聞こえてくる。

様な気がするから。