冬の夜長、丑三つ時に

まもなく、「丑三つ時」で、ある。

遅い時間に、安定剤を飲んだので、

元気になるタイミングが、夜中になった。

 

自律神経を、正常化する薬であるが、

時に、交感神経が強く出て、

「結構、ハイ」になって、眠れなくなる。

 

神経が疲れすぎて、

呼吸が合わず、息苦しくなったり、

不安が募って、神経がピリピリとなり、

すんなり眠れないときに、

安定剤を飲むことがある。

 

眠るどころか、

今から、料理か、部屋の片付けでも、

しましょうかくらい、頭が冴えてくる。

周りを見渡しても、真っ暗だし、寒い!

 

若い頃は、よく徹夜をして、

夜中に、誰もいないのに、

部屋のあちこちから、

「パリッ!」とか「ミシッ!」

とかの音がして、「怖いー!」

とか思ったけれど、

 

今は、

どちらかと言えば、こちらの方が、

「うらめしやー」に近い歳になり、

びくともしないのである。

 

長く生きてきた中で、

お化けより生きてる人間の方が、

怖いということを知ったし、

「うらめしやー」

と、出たろかしらと思う人もいる。

 

「死ねまで忘れませんよ!」

と、恨みになるくらいの事があっても、

死んだら、終わり。

何もかも忘却して、仏様になる。

世の中、上手くできている。

 

「うらめしやー!」は、

生きてる人間の感情である。

「やられたら、やり返せ!」

「今に見とれ!」

「ざまあみろ!」

こんな言葉が、心の何処かに、

潜んでいる人間の方が、恐ろしい。

 

冬の夜長、丑三つ時には、

ろくな事しか、頭には浮かんでこない。

どおあれ、この薬は、

想像力には、たけてくるので面白い。