高齢者の命より大切なもの

コロナが終わったら、

友人と会いたい、

何かを始めたい、

新しいお洋服も買いたい、

 

ずっと、待っていたけど、

もはや、諦めの境地、

あと一年は、この非日常は、続くと予測。

 

この一年、

時間はたっぷりとあり、

自分自身を見つめる時間となった。

 

過去を回顧し、

未来を想像し、

何よりも、急激に変わりゆく世の中に、

圧倒されている。

 

社会が、バリバリと音を立てて、

壊れていく中で、

見えていたものが、霞んでゆく。

 

意気揚々と生きていた人も、

安定した暮らしをしていた人も、

これほど、自然の脅威には、弱く、

なす術がない。

 

震える手先を伸ばせば、

温かな力強い手で、握り返してくれる人が、

そばにいてくれさえすれば、

それだけで安堵する高齢者の世界。

 

「逃げよう!」と言われても、

「子供達を助けてやって!」と答えるだろう。

「入院しょう!」と言われても、

「最期まで、この部屋でいさせてほしい」

と、願うだろう。

ただただ、長生きしたいとは、

思ってはいない。

 

こんな事態になっても、

胸を張って、試練を超えてゆく、

若い人達の生命力に、歓喜する。

歳を重ね、経験を積めば、

「命よりも、大切なもの」がある事を、

高齢者は、知っている。

 

死の瞬間までも、

「他者への思い」をもてれば、

尊厳ある死といえるだだろう。。