居座る冬の嵐が、
とどめを刺すように、日本を襲う。
飴と鞭のような定めに、
人は翻弄され、心が座屈してゆく。
それでも生きて、生きてゆく。
徹底的な男尊女卑の時代、
空から爆弾が降っていた時代、
ウイルス感染のパンデミックの時代、
どの時代に遭遇するかは、選択肢はない、
命を失った人、
命だけは取り留めた人、
財を失った人、
財だけは残った人、
大切な人を失った人、
大切な人を救われた人、
悲しみを抱きしめて、
寂しさに打ち勝って、
苦しみを乗り越えて行く。
再び、取り戻すために、歩き出す。
「人間は、そんなに柔ではない」
貴方を生かすために、
心臓は、動き続け、肺は呼吸する。
神から与えられた健康な肉体を、
健康な精神は、守り続けるのである。
「もう、しんどいわ!」
「もう、どうでもいいわ!」
と、憎まれ口を叩きながらも、
優しい手が、瓦礫を片付けて行く。