自粛生活が、一年を越えてくると、
最初の頃の新鮮さも消えて、
家族、特に夫婦の場合は、
色々、見えなかった相手のことが、
お互いに見えてくる。
私達高齢者においても、
夫に先立たれた人も多く、
「ご主人、食べ物何が好きやったん?」
「えーっ!何やろ?カレー?」
と、改めて考えると、分からんらしい。
何十年も、共に暮らしていても、
何か大きな出来事がない限り、
無意識で、過ごしている。
しかし、
長所より、短所だけは覚えていて、
傷ついた言葉や行動は、
「棺桶」に入るまで、忘れん!らしい。
取るに足らない小さなことも、
小骨が引っかかったように、チクチクする。
それが積み重なり、
「大嫌い!」になり、離婚に至る。
結婚前の、
綺麗好きは、神経質や潔癖症、
優しく笑顔は、他者にも過剰行為となり、
トラブルの原因にもなる。
ただただ、真面目で、働く人は、
「面白ない人」に、なってゆく。
そう言われた相手からすれば、
「どないしたらいいねん!」
と、お手上げ状態。
好きで、一緒に一つ屋根の下、
過ごす時間が長ければ長いほど、
「見つめ合う」眼差しが、
あら探しに、変容する。
どうあれ、長い長い人生、
お互いを見つめ合うのではなく、
横に並び、同じ方向を見つめて、
前を向いて暮らしていくのが、
長続きの秘訣である。