心は、すでに死んでいる。

まるで、

気絶してるが如く、深い眠りについた。

起きた時の目覚めが、非常に悪い。

 

状況が把握できるまでに、

かなり時間もかかり、

手足は、ギシギシと音を立て、

脳は、スッキリと覚醒してはいない。

 

いつの頃からか、

かろうじて、肉体は動いてはいるが、

心は、すでに死んでいる。

ドクターからすれば、

血液検査に異常な所見は見られず、

いつも通りの、常備薬を処方される。

 

思い切って、

「実は、私、もう死んでいます。」

と、訴えれば、

「大丈夫、大丈夫」と、軽くいなされて、

それ以上、深くは診察しない。

 

これだけ、ネット情報が行き届いていれば、

素人でも、ある程度の医学の知識はある。

検査のデーターも、自分で判断できる。

 

いつもと違う!

今までとは、かなり違う!

どこかが、おかしい!

と、本人は必死である。

全ての原因不明の症状を、

「加齢による」と、片づけられてしまう。

 

医学博士であり、専門家でもあるので、

期待はしてしまうが、

最近の開業医は、

問診、相談レベルなのかも知れない。

患者も見ずに、パソコンに打ち込むだけの、

診察もあると聞く。

 

指で、触診をして、聴診器を当て、

自分の専門を越えて、総合的に診れる、

「赤髭先生」は、もういなくなった。

 

病気を治し、命を救うのが、医者なのに、

その医者が、

「自分の命は自分で守ってください」

と、言わなければならない、日本の現状が

あまりに悲しく、絶望的である。

だから、

私の心は、すでに死んでいる。