「想い出」も、削除して

永く生きている時間の中で、

起きる出来事は、

全て、「想い出」として、処理される。

 

嫌な「想い出」も、数多くあるが、

不愉快で都合の悪いものは、

適当に、「忘却の箱」に捨ててしまう。

誰にも知られず、都合よく「削除」して、

「ゴミ箱」行きである。

 

時々、断捨離の最中に、

デリートし損ねた「想い出」の残骸が、

「ゴミ箱」から、発見される。

PCみたいに、突如復活する。

 

不必要なものは、バッサリと切り刻むが、

なんだか、後を引く様な「想い出」は、

恨みか、執着か、悔しさか、執念か、

解決のつけようがない未練が、

心の片隅に、残っている。

 

人間の一生は、

綺麗事、美しいものなど、皆無に等しい。

元々、ひがみ根性、嫉妬心の強い性格ゆえ、

不愉快な事を、愉快な事に、

悲しい事も、喜び事に、

軽く、「変換」のキーを押せるわけがない。

 

誰のものでもない、私だけの、

ありのままの、そのままの、「想い出」

きっと、

この世に、一人くらいは、

大切に、保管してくれる人がいる事を、

願いながら、逝きたいと思っている。