成熟した国

こんな時代になって、

叶わぬ夢だが、

もう一度だけ、「パリに行きたい」と、

思いを馳せる事がある。

 

今は、直行便もあり、ひとっ飛びだが、

昔は、倍ほどの時間がかかり、

遠い存在の国であった。

 

昔から、

仕事も兼ねて、ヨーロッパには、

行ったが、特にフランスは、お気に入り。

 

街も風景も美しく、

文化、美術に関しては、意識が高い。

アダルトの女性に対する優しさは、

他国に、類を見ない。

 

歳を重ねた女性達が、皆、美しい。

ホテルも、レストランも、自宅までも

背景、照明、装飾品など、

高齢の女性が、美しく見える配慮が、

細部に、施されていた。

 

歳を重ねて、生き抜いてきた人達への、

リスペクトがある。

ファッションは、分相応が根幹にあり、

HERMES、VUITTON、CHANELなど、

名だたるブランドファッションは、

地位名誉経済力が備わった人達が、

身に付けてこその価値があるとの、

論理が通っている。

 

若者達も、理解しているので、

高級なお店などには、入店しない。

ファッションも、高級ブランドではなく、

シンプルである。

 

恋愛に関しても、同棲は当たり前、

日本のように、白い目では見ない、

どころか、既婚者と同じ制度で、

支援が施されている。

 

ヨーロッパ独特の、

自然に育まれ、美しい景観の中で、

皆、自由を謳歌している。

会話や議論が大好きな人達が多い。

 

だからこそ、

理に合わないことに出会うと、

デモが行われたり、ストが起こる。

 

フランスは、

昔から、アダルトの国、

成熟した国といわれていたが、

触れ合うと、

確かに教養と見識には驚く。

 

その当時から、

遅れた国の遅れた考えの日本人として、

恥もかいたが、学びにもなった。

 

意地悪そうに見えたおじさんも、

近寄り難いおばさんも、

自分らしく、接すれば、

私の全てを受け入れてくれた。

 

これからの日本の若者も、

世界を知る為に、脱出して欲しい。

グローバルで、リベラルな生き方を、

学んできて欲しい。

と、望んでいる。