「大丈夫?」の優しさ

インタビューされている、

ヤングケアラーの女の子。

日常を問われて、

「大丈夫です」

「何とかなってきたから」

と、答えている。

 

親や兄弟姉妹が障がい者で、

幼い時から、

出来る事をして、役割分担は、

いつの間にか、決まっていた。

 

だから、

「大丈夫」ではなく、

一生懸命、「大丈夫」してきたはず。

そして、

「どうにかなった」ではなく、

人の倍、努力して「どうにかしてきた」はず。

 

「貴方がいたから、」

ここまで、これた事を知っている。

 

「衣、食、住、」の、

当たり前の暮らしは、

当たり前ではなかった事。

 

食事、排泄、入浴が、

困難な家族が一人でもいたら、

暮らしは、当たり前ではなかった事。

 

今日まで、今まで、

誰にも、助けてもらえず、

ここまで、生きてこれたのは、

「貴方の優しさ」しかないのです。

 

障がい者や、長く病気を患う、

家族がいる家庭には、

「大丈夫?」という言葉が、飛び交っている。

 

朝に、夜に、

「大丈夫?」の優しさに、

「ありがとう」と答える謙虚さが、

貴方を、立派に育ててゆく。

 

「行ってきまーす」

と、一人で出てゆく後ろ姿に、

涙している人もいたはずである。

 

家庭の中で、

辛さや悲しさを、乗り越えた人は、

社会の中でも、強く生きれるはずである。

 

貴方が誰かを支えたら、

その貴方を支える人に、

きっと、出会える。

 

世界中が、

そんな時代に、変容してゆく。

だから、きっと、「大丈夫」。