上弦の月

夜空を見上げれば、

少し、膨らみだした上弦の月が、

卓袱の闇の中で、輝いている。

 

敬老の日には、満月に近づく。

中秋の名月とも、言われ、

すっかり、秋が広がる、

 

地球上で、繰り広げられている、

コロナパンデミックも、

経済のひっ迫も、

権力を奪い合う戦闘も、

振り向く事なく、

地球を、静かに回り続けている。

 

生命が誕生した時から、

月の満ち欠けの中で、

生と死を繰り返し、今日に至る。

 

人間の誕生の神秘も、

エスが処刑されたパッションの真実も、

ヒトラーが犯した大罪の悲劇も、

全てを、見つめてきた。

 

そんな神々しい月に、

人々は、涙して、祈り、

人間の愚かさを、浄化してきたのである。

 

未来において、

決して、触れてはならない聖域に、

次々と、「月旅行」のロケットが、

打ち上げられる日が来るのだろうか?

 

出来うるならば、

神秘なるままに、残してほしいと、

希っている。