間も無く、夜空に、
姿を表す、中秋の名月。
今年の十五夜の月は、
走り抜いた人々の心を、
優しく、癒すことになる。
25年前、
悲劇の阪神大震災の夜、
炎が広がる闇の中の、
「真っ赤な満月」を、忘れない。
大きく亀裂のはいった、道、
崩壊して、消えた家々、
そして、
体育館に、積み上げられた遺体の数々。
地獄絵図の様な状況の中、
停止した、ライフライン。
右往左往する地上の出来事を、
静かに、見守り続けた満月。
そして、
人々の苦しみを、
月の満ち欠けと、共に、
身を斬る様に、姿を変えてゆく。
時を刻み続け、
真冬の寒さから、温かな春へと、
繰り返されてきた。
そして、
今日という日に、夜空を見上げて、
美しい満月に、祈りを捧げるのである。
お月見とは、
「実りの秋と、健康」に、
感謝する日である。