「人を助ける」行為から始まる

遠方まで、行く時は、

途中で、脚がへたるので、

車椅子を引いてもらう。

 

久しぶりの電車が楽しくて、

阪急電車はきれいねー!」

など、まだ余裕あり。

 

御影を降りて、

目当ての、区役所まで、

タッタカタッタカ、行くはずが、

道路はガタガタ道。

 

歩道は狭く、

車椅子一台通れる幅。

前から人が来たら、どちらかが、

車道に降りて、交差する。

 

元気で、歩いてた頃は

下など見ずに、

サッサカ、サッサカ、歩くので、

石畳や、アスファルトなど、

歩道の素材など、見たこともない。

 

亀裂はあるは、ボコボコやは、

震度5くらいの揺れ方である。

飛び跳ねて、お尻は痛いし、

横揺れ、縦揺れ、ついた頃には、

疲れ果て、吐き気まで起こりそう。

 

「やっと、到着!」しても、受付は2階!

必要な申請用紙は、

人が立って書くテーブルで、

並んだ申請用紙も、見えず、

手が台にも届かず、字も書けず。

 

窓口行っても、

職員さんを見上げる格好で、

何だか、見下されての対応。

 

帰りは、JR住吉駅に向かうと、

ホームに上がろうにも、

恐ろしいほどの階段が聳え立っている。

 

「エレベーター、そこの奥ですよ」

初めての親切な人に遭遇。

行ってみれば、曲がって曲がって、

奥の隅。

探してる間に、電車は発車。

 

JR芦屋に着いた頃には、

出発時の、ワクワク感は、吹き飛んで、

疲労困憊の一日になった。

 

先進国と言われる一番の定義は、

社会福祉が、行き届いている国。

全ての国民が、

地域の中で、幸せで、豊かに暮らすこと。

 

身体が不自由な人も、

経済的に困窮している人も

サービスを使ったり、支援を受けて、

差別のない、自立した日常を過ごすこと。

 

他国と比較しても、

日本は、まだまだ遅れがある。

入りたい店には段差があり、

車椅子ではいけない道があり、

困っている時には、声をかける人が少ない。

 

一人で、外出して、

困った時には、子供達に、助けて貰う。

階段を登る時には、「荷物を、持って下さい」

自動ドアでない時は、「開けて下さい」

 

子供達は、嫌な顔もせず、

助けてくれる。

福祉は教えるものではない。

人を「助ける」行為から始まる。