大家族の生存競争

「わぁー!子供さん四人も!」

と、現代なら、驚く人もいる。

 

しかし、私達の年代は、

兄弟、姉妹が、四人など、珍しくもない、

普通であった。

 

戦後、

「産めよ、増やせよ」と、

女性の身体を、厭わない風潮があり、

母親達は、大変だった時代である。

 

子供達も、放ったらかしでも、

逞しく、すくすく、育っていった。

 

狭い家に、ゴロゴロ子供達がいて、

食料も、今ほど、豊富でもなく、

経済も、これからと言う時代に、

大学までの教育費は、半端ではない。

親達も、生きていくだけで精一杯。

 

幼い頃は、

家に帰れば、兄弟姉妹がいるので、

友達など、必要なし、

 

「良い子」「悪い子」「普通の子」が、

入り乱れての、毎日の暮らし、

大家族の「生存競争」の戦いである。

 

今の子供達の様に、

真綿に包まれるように、

大切に、育てられてはいないが、

心は頑丈だったかも知れない。

 

 

世界も、日本も、大きく変容して、

時代にあった人間の生き方も、

当然、変化して行く。

 

私達が、「老婆心」で、

昔は、「こうやったとかああやった」とか、

言わん事である。

 

それぞれの世代の、領域の中で、

有意義に人生を、過ごしながら、

お互いに、「元気でいてね」と、

祈るしか出来ないのである。