戦う相手は、私ではない

「パニック症」は、

若者達の間で、静かに拡大している。

 

昔から、「病名なき」病気で、

得体の知れない恐怖と不安に、

心身が、壊れていく。

 

ストレスや疲労から、

「自律神経」のバランスを崩す、

と言われても、身に覚えもない。

突然、現れる、

「死の世界感」

死から一番遠い、若者が体験する。

 

「死ぬかも知れない」

恐怖を抱き締めながら、

大病もなく、生き続けていく。

 

やられる前に、やり返せる術もあり、

倒れる前に、寝たふりをする。

「どうぞ、お好きに」と、

委ねると、通り過ぎてゆく。

 

心の病気は、

ウイルスでも、菌でもない。

「内なる私」が、表出する。

抗う私を、追いかけてくる。

戦う相手は、私ではない。

 

歳を重ねていく中で、

「死ぬかも知れない」恐怖は、

人生のエンディングに近づくと、

「死にかた」に、変化する。

 

人は皆、

本当の「死」と、向き合えば、

「甘受する」心構えを持ち合わせている。

崇高な魂を持つ、唯一の生命体である。