真夜中の寒波

真夜中2時、丑三つ時、

嫌な夢を見て、目が覚める。

脈も早く、薄ら寒い。

 

「寒波」を思わせる様な風が、

窓を、叩きつける様に吹いている。

季節外れの暑さから、

一瞬で、冬が来た。

 

風の音が、大きくなって、

窓を開けるのも、怖い。

この異常気象の中で、

おかまいなしに、眠れる人が羨ましい。

 

恐怖の音が、

脳を刺激して、血生臭い夢になり、

現実と夢との狭間で、妄想となった。

 

誰かの布団が、そばにあれば、

恥も外聞もなく、猫みたいに、

潜り込むだろう。

 

夢が怖いのでもなく、

風が怖いのでもない、

予想だにしなかった、「真夜中の寒波」に、

震えながら、帰る家のない人を、想うと、

もう、朝まで、眠れない。