死と向き合える教養

知り合いの女性で、

小さな肺がんが、

散らばって、手術は不可能。

 

定期的に抗がん剤投与の治療、

今の間に、「緩和ケア」病院を、

勧められている。

 

今のところ、

本人は痛くも痒くもないと、

相変わらず、

友人達との集いがあったり、

得意のテニスも、続けている。

 

抗がん剤と、定期的な検査があり、

医者の説明だけでは物足らず、

というより、認めたくはない。

 

検査データーを見れば、

明らかに、抗がん剤の副作用症状が、

数値となって現れている。

 

どんなに小さくても、

そこには、癌は明らかに、存在して、

育ってはゆく。

抗がん剤は、一瞬の効果はあるが、

完治はしない。

 

周りは、

「元気やから大丈夫!」

「ちっとも、悪い症状ないやん」

と、本人を案じて、慰める。

 

人は生まれた時から、

死ぬことは決まってる。

誰にでも、

生老病死」は、付いてくる。

 

検査の数値の解釈をし、

今後どうなっていくかを、説明する。

本人にとっては、

冷酷なアドバイザーもいる。

 

本人が、

大丈夫でないことは誰よりも知っている。

出来るだけ、

都合の悪いことは聞きたくはない。

 

歳と共に、

肉体は壊れていくし、

死には近付いていく、

その事を、受け止める方法は、

人間の「教養」を学ぶしかない。

と、伝えてあげることも賢明である。