フラットな道を、歩みたい

「木枯らし?」と、

勘違いするほど、冷たい風が吹く。

 

郵便局に、用事ができて、

車椅子で、外出したが、

カーディガン一枚羽織っただけでは、

用は成さないほど、

「寒いー!」

 

真夏と真冬には乗れない車椅子、

春には、桜を愛でながら、

秋には紅葉を堪能し、

ゆらりゆらりと、籠ぐるま。

今年は、

秋を飛ばして、冬が来た。

 

立って歩く人とは、目線が違い、

風景も、人間も、世の中も、

見通せる。

 

芦屋は、

稀に見る、美しい景観と、

名だたる企業のお屋敷が、連立し、

看板宣伝お断りの、街である。

「言う事なし」の優良住宅街である。

 

しかし、残念ながら、

車椅子生活の人にとっては、

過酷なまでの、ガタガタ道。

段差に引っ掛かるたびに、

車椅子から、何度も飛びだす。

 

古き良き時代の、石畳も、

緑の木がしげる細道も、

風流で、趣きがあるが、

車椅子や、歩行器や、杖持つ人には、

危険な通り道。

 

障がい者や、高齢者の人達が、

一人でも外出できる様な、

安全な街に、生まれ変わってほしい。

 

世界が、

SDGsの時代に、突入した。

高いステージの人達が、

少しだけ、目線を下げれば、

困窮者や弱者の世界が、見えてくる。

 

格差のない、差別のない、

フラットな道を、歩みたいと、

願っているだけである