苦しみを明かさない人

どんなに苦しくても、

誰にも、苦しみを明かさない人がいる。

 

いつも、冷静で、

泣き言などいわず、

粛々と、生きている。

 

子供の頃に、

親から受けた、理不尽な仕打ちは、

深い傷となり、

その後の生き方に、反映する。

 

社会的に、

「成功者」と言われる、

父親を持っているだけでも、

子供には、大きく影響する。

 

男の子の場合は、

「二代目」、「ボンクラ」、「あほボン」

ろくな呼び名はない。

女の子場合は、

「お嬢様」のイメージを、

少しでも外れると、「不良娘」である。

 

親が、

人格者で、まともであれば、

今で言う、「良き親ガチャ」に、

恵まれたと言えるのだろう。

 

終戦前後に産まれた私達は、

ほぼ、親が「軍人」、

時代錯誤の様な、教育をされて、

反対すれば、勘当者、

我慢して、言うこと聞けば、

大人になった時には、反動が起こる。

 

「勘当」されて、自由は得たが、

社会からは、「糸の切れた風船」扱い、

あの親あってこその、

御坊ちゃまに、お嬢様、

 

社会の風の冷たさに、晒されながら、

苦労の連続、努力の賜物で、

貫いた人もいる。

 

誰のバックボーンも無く、

荒波を乗り越えた人は、

「苦しみを誰にも言わない」

 

「最近、いかが?」

と、尋ねたら、

「今のところ健康で、幸せです」

と、言われる。

どこまでも、謙虚である。

 

「ええ加減に」生きてきた私としては、

情けないが、

返事のしようがないのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほぼ洗脳されるが如く、

過酷な運命を、歩んできた。