「アホちゃうか」と言える人

義理の両親と、

住んでいた家の庭が、広くて、

シルバーセンターや、障害者作業所に、

葉刈りや、草取りなど、依頼していた。

 

障害者の人達は、

ダウン症や、知的障害ではあるが、

比較的、作業が出来る人達で、

作業代が、給与として支払われる。

 

お庭のあちこちに、フラフープを置き、

そのエリアを綺麗に刈り取れば、

順次、フラフープを移動させていく、

 

「なるほど!」と、感心してみていると、

黙々とする人もいれば、

真ん中に座ったまま、石の様に動かない、

かと、思えば、走り回る、

 

トレーナーの人達が、上手く誘導しながらの、

大変な作業であるが、

私は、お庭が綺麗になるより、

作業の様子が、微笑ましく、

楽しい時間であった。

 

作業が終了すると、

ミスタードーナツと、お紅茶の、

ティータイムが、楽しみの一つ。

 

大きなテーブルに、皆んなが輪になって座り、

おしゃべりが、格別楽しい!

皆んなの中では、

私の事は、「エリザベス」と言う人らしい。

とても素敵な名前なので、

嬉しくて、あえて、否定はしないのである。

 

最初の頃は、

障害者の人たちとの会話の中に、

気遣いすぎたり、考え過ぎたりして、

上手く、入っていけず、

ニコニコ笑うしかなかったのである。

 

友人の作業所の施設長の女性は、

ペチャペチャ、おしゃべりしながら、

ムシャムシャ、食ってる、

たまに、会話の中に、

「アホちゃうか!」と、

ドキッとする言葉も出る。

 

みんなが大笑いする姿に、

「凄いなー!」、

ここまで言える彼女に脱帽する。

 

老人介護を経て、障害者介護に、

移行した経緯を、知っている私は、

ここまでの信頼を作られた、

努力と人間性に、尊敬しかない。

 

障害者の人達と、一人の人間として、

当たり前に、普通に、

関われる心と技術を、

私は、まだまだ、熟知していないのである。