「お風呂入りましょうか?」
「入らん!」
「お食事しましょうか?」
「食べへん!」
「トイレ行きましょうか?」
「行かへん!」
認知症の人達の、返事は、
殆どが「NO!」である。
私は、この全否定の答えが、
「大好き!」である。
人生、
一生懸命生きて、
やっと来てくれた「自由な老後」
好きな時に、起きて、
好きなもの食べて、
好きなところに行く!
その日の為に、
「慇懃無礼」を、我慢して、
「傍若無人」を、腹に納めて、
それでも、それなりの、そこそこ、
爽やかに、他が為に、生き抜いた。
もう誰にも邪魔されない、
もう誰にも命令されない、
「ほっといて!」
の、気持ちが痛いほど、伝わるの。
最後まで、死ぬまで、
言いたい放題、
やりたい放題、
「して下さい」
次世代に、
いっぱい迷惑かけても、
誰をも傷つけない「貴方のわがまま」
貴方の憤怒を、
貴方の悲しみを、
貴方の切なさをを、
愛おしく抱きしめる。