「隣の坊や」の大晦日

家の前の駐車場で、

朝、「隣の坊や」と出会った。

 

私の姿を見ると、

背中を「エヘン!」と、

そらして、歩いて来る。

 

「あらーっ、おはよう!」

いつもなら、

「こんな人知らない」みたいに目を逸らす、

「隣の坊や」が、おっきな目で、

私の目を見たのである。

 

毎日、

養護施設のお迎えバスが、

来る前に、大泣きして、

ママに怒られていた悪戯坊や、

 

「嫌なものは嫌!」

「行きたないもんは、行きたない!」

と、言ってる泣き声に、

私は、密かに応援していた。

 

「頑張れ、頑張れ、もっと泣け!」

言うこと聞かない理由がある。

大人の嘘泣きとは大違い。

 

「ほんと、可愛い!」

と、心底思う。

いつの日か、

泣きたくても泣けない、

悲しみを知る日が来る。

 

だから、

「今はいっぱい泣いて」と、

味方になるよ!

 

今日は、

「大晦日」って、知ってか知らずか、

とにかく、

「お迎えバス🚌」は、来ないので、

パパやママやお兄ちゃんと、

ズーッと一緒にいれる事が、

「嬉しいもん」

 

だから、

胸張って、隣のおばちゃんの顔を、

しっかり見て、通り過ぎたんだね。

大人にも、小ちゃな子供達にも、

束の間の、

「幸せなお正月」にと、祈ってる。