「嫌われてる」先生
仕事でお世話になった、
女子高の男性教師の友人と、
たまに会食に行く事がある。
固くて、真面目で、厳しい、
生徒達には、
大いに、「嫌われてる」先生である。
お酒が大好きで、
飲めば飲むほどに、
「情の深い、優しい」人柄が現れる。
「生徒を思いすぎて!」
ついつい、厳しくなってしまうと嘆く。
私が受け持つ講義は、
「何故、生徒達は保健室にいかないか?」
が、課題であり、不思議だという。
教師自身の、育った環境や背景で、
「生徒を受け止める技」が違ってくる。
この教師の場合は、
「母親が苦労して、大学まで行かせて貰った」
と、親に感謝で泣く。
私は、
「裕福な家で、大学まで行くのは、
当たり前の様に育った」
と、支配的な親に感謝もない。
親の苦労を背負った教師は、
「親の恩を返せる様な、立派な人間に!」
と、一生懸命教える。
「それは、アンタの問題」である。
親に恩もなく、愛も感じない私は、
「自分を信じて、生き抜く人間に!」
と、一生懸命に、教えない。
真実を伝えるだけである。
たとえ、
教師であっても、
良き事であっても、
権力や支配で、「教えてはいけない」
生徒達からすれば、
アンタなんか、
「親でもなければ、子でもない!」
と、思っている。
「死ぬほど痛い思いして、産んでくれた!」
母親の呪縛にかかった教師に、
一言、
「子供が、出てこようとするから、
母親は、介助しただけですよ」
と、真実を聞かされて、ビックリ!
男性である教師が、
「母親が産んでくれた!」
「苦労して、育ててくれた!」
恩と観念から、解放されれば、
生徒達の真実が、見えてくる。
若者達が、
「親ガチャ」
「毒親」
と、簡単に一言で済ます暗号を、
教師は、
真摯に受け止めなければならない。