「医者とは、縁がない方が、幸せやで」
と、優しいお医者様に言われる。
親も、私も、子供も、
三代に渡って、お世話になった、
尊敬する主治医の先生が、
退官された。
残念ではあるが、
「医者も人の子、
病気もするし、歳もとる」
「先生!ズーッと、元気でいてね!」
と言うと、
「そんなアホな!」と、笑っていた。
医師として、50年を越え、
公立病院の院長を務め上げ、
のちに、民間開業医院で、診療。
その、歴史を物語る手で、
どれ程の患者を切り刻み、
命を救ってきたか、数知れず。
この先生に、
「もはや、ここまで」と、言われても、
素直に、
「ありがとうございました」と、
納得するほど、信頼できる医師であった。
「外科医は、身体が一番、」
と、車にも乗らず、
スポーツはテニスと、
85歳まで現役を続けられた。
これからが、
医療が必要となる本番になって、
私の「主治医」は、バトンタッチされる。
人によって、
「良いお医者様」は、其々違うが、
私の命をサポートしてくれる、
真っ当な魂のお医者様と、
出会えれば、嬉しい。