「あの声で、蜥蜴(とかげ)食らうか、
時鳥(ほととぎす)」
江戸時代の俳人の一句である。
あれ程美しい声で鳴く鳥が、
同じ口で、蜥蜴などの爬虫類を、
食べる残虐性に、びっくりする、
意味である。
江戸時代にも、
今と変わらず、こんな一句に、
読まれるような人が、
いた事が、いとおかし、
近代では、
女性に限らず、
男性も、美しさを求めて、
ファッションに留まらず、
男性化粧品まで、店頭に並んでいる。
容姿だけにかかわらず、
外から見れば、
教養、知性に溢れた様に見える人も、
別人格が現れる時がある、
上品で、優しく、
思慮分別があると思われてる人も、
突然の有事の時に、
「我先に」の行動や、
「我欲に」走る姿が、現れる。
意識を持って、隠し通しても、
たわいない場面で、
食事の作法や、
身体への不衛生や、
家の整理整頓など、
無意識の部分で、現れてくる。
誰も見ていなくても、
自分を律しながら、
知識を知性に変えて、
日々暮らしてゆかねばならない。
高齢の友人達との、集まりで、
認知症予防の話になり、
まず、趣味を持つ、
リハビリやヨガに行く、
人と交流する
などの多くの意見が出たが、
「認知症になれば、
本来の自分(本性)が、表出しやすい」
と、伝えると、
盛り上がっていた場面が、
一瞬、ピタッと、停止する。
私も含めて、認知症予防には、
外側だけではなく、
内なるリハビリを、しなくてはならない。
今から、
間に合うかどうかは、疑問ではある。