残存能力ではない能力もある。
頭、
「空っぽ」の、日曜日の朝、
目覚めるまでに、
走馬灯の様に、記憶が流れていく、
掴みどころのない、出来事を、
心が追いつかずにいる。
私は誰、
ここは何処、
と、問われても、
即答できないほどに、彷徨って、
手探りで
テレビをつければ、
「津波警報」に引き戻されて、
現世に繋がり、覚醒する。
恐怖と不安に、瞬時に反応、
脳ではない、感覚がキャッチする。
異変のシグナルを捉える、
人間の肉体の精密さに、
今更ながら、神秘を感じる。
愛には鈍麻な脳よりも、
神経を張り巡らせた肉体が、
上回る。
歳を重ねて、
「身体は、ガタガタ」と、
言うけれど、
残りもんみたいな、残存能力では無く
跳ね返す力のハーディネスが、
まだまだあると、信じたい。