「震災の語り部」は昔話ではない。
夜明けの神戸に、
悲しみの火が灯る。
あの衝撃の、記憶が薄れても、
思い起こせば、
今でも、身体が反応する。
日本の歴史に記載された、
悲劇のひとつであり、
震災後27年、
幾度も繰り返されてきた。
今も、
いつ来てもおかしくない、
次なる大震災予告、
映画でもなく、ドラマでもない、
ハッピーエンドにはならない現実、
「震災の語り部」は、
昔話を伝えてはいない、
この瞬間に起こっている事を、
生命の危機を伝えている。
しかし、
自然の脅威が起こるたびに、
地獄絵が映し出され、
その後の、当事者の幸せを知る由もない。
救いからこぼれ落ちた人達、
取り残された人達、
震災以外の、二重の災難に遭う。
何処まで行っても、
国は、徹底して、
人々を救う為の準備を、怠っている。
事が、起こった後に、
「あれが足らない」
「これが、出来ない」と、言い訳する。
戦争と同じくらいの悲劇に、
常に直面している日本、
次なる震災は、
日本の地形まで、変えてしまうと聞く、
誰もが、
「自分の所は大丈夫」
希望的推測は、
証拠のない、信念の形に過ぎないのである。
権力を我欲には使わず、
国を守れるリーダーが、
力を発揮してほしい。
「震災の語り部」の言葉を、
真摯に受け止めなければならないのは、
この人達である。