幾つもの真実

世の中には、

何が真実かわからない、出来事や、

不可解な、事件が起こる。

 

「真実が知りたい」と言う人の心には、

すでに、

自分なりの真実がある。

人の数だけ、真実は存在している。

 

周りがどれほどの

想像力を駆使しようが、

証拠を持って、証明しようが、

当の本人だけには、

知り得る真実がある。

 

結果、事実が決定されても、

本人の真実は、

永遠に変わらず、存在するのである。

 

法律に関わる出来事の場合は、

法律を基準にしての判断であり、

どこまでも、

人間が作った世界の中で、

取り扱われて、ピリオドは打たれる。

 

日常の中で起こる出来事は、

真実が一人歩きして、

過去から未来へと、語り継がれ、

人から人に伝わるたびに、

真実は増幅し、変容してゆく。

 

伝える人の偏見と都合で、

ますます拍車がかかり、

本人の人生も、運命も、

歪みの狭間で、翻弄される。

 

人は、

結果を真実として、確定するが、

そこに至った経緯も、

何故そうなったかの動機も真実である。

 

人の人生を、

指先で、ヒョイと摘んだように、

真実を、もて遊ぶような事は、

「悪意の真実」として、

それぞれの心に、残るはずである。