誰かに救われ、誰かを救う

足早に通り過ぎる、

時間の螺旋から、

振り飛ばされない様に、

しがみついている心がある。

 

ともすれば、

限界を超えて、心身共に疲弊し、

病を起こす。

 

春が来て、桜が咲いて、

子供達は、次なるステージに、

飛び立つ季節である。

 

「今、何月?」

「ここは、何処?」

あまりの、変わり様に、

現実を受け止められずに、

自分自身のコントロールを、

失う人が、増えてきた。

 

コロナ、戦争、地震

この三つ巴を、

いとも、簡単に、

クリアー出来る人は、少ない。

 

多かれ、少なかれ、

遠くの国から、

爆撃の火の粉が散って、

爽やかな風の中に、

未だに、ウイルスは隠れている、

我が家が、

地震に襲われない保証はない。

 

非日常のなかで、

平然と、

すべき事を、つつがなくこなし、

来たる未来に、

今まで通りのライフプランで大丈夫、

と、信じている人はいない。

 

人間の幸せが、

お金ではなかった事、

地位や名誉ではなかった事、

自分さえ良ければではなかった事、

否が応でも、知ったのである。

 

涙する人を抱きしめて、

震える寒さに、温かな飲み物を差し出して、

恐怖の場所から、救い出してくれるのも、

実は、人間しかいなかったのである。

 

誰かに救われ、誰かを救う、

その心しか、

今の地球が、復活する手立てはない。