忘れかけていた人道を取り戻す

気の早い、

初夏の気配がする、

ガラス越しの朝の日差し。

 

湿った空気が、

降り注いだ雨に、流されて、

小さな花が、咲いている。

 

コンクリートの隙間からでも、

芽を出す強さに、

萎れた心が、圧倒される。

 

長く続いた平和な日本、

強さや忍耐など、

出す場所も、使う出来事もない。

 

「武士は食わねど、高楊枝」

みたいな言葉さえ、無くなって、

楊枝を咥えてる、おじさんも、

見かけなくなった。

 

食べたいだけ、お腹いっぱい、食べ、

遊びたいだけ、思いっきり、遊び、

やりたい事、好きなだけ、やって来た、

時代が、終わろうとしている。

 

制限された、外出や、外食、

控え気味の、遊びや、趣味、

今どき、

「やっぱりお金が一番!」とは、

冗談でも言えない状況。

 

大切な家族を、

安全な場所に送り届けて、

戦場に向かう男達の姿、

家も食べ物も着る物さえも、

分け与える支援者の姿。

 

民族を越えて、

人間のあるべき姿に、

誰もが、共感し、

忘れかけていた人道を取り戻してゆく。

 

世界中の人々の暮らしの中に、

経済制裁」の波は、

確実に、やって来る。

地球を守る為の、命の為の、

厳しい決断である。

 

「我慢」を強いられる事ではなく、

自らを、

「忍ぶ」暮らしに、

移行してゆく時代に、

世界は進み始めたのである。