辛くて、
しんどくて、
身の置き所がないほどの、
辛さが、襲ってくると言う。
気がつけば、
無意識に、
我が身を、我が手で、
摩り出している。
「お前は、よう頑張ったよ」
「精一杯、する事はしてきたよ」
と、声を出して、
自分を励ましたと言う。
還暦を迎える歳になっても、
社会は、
どこまでも厳しく、
それでも、諦めず、
働き続け、生き続けて来たと言う。
自分を許し、
「へこたれなかった」自分を、
初めて、
愛おしく、抱きしめたのである。
静謐な時間の中で、
絵画の様に、キラキラと輝く、
この人の人生が、見えて来た。
人間は、
生きている限り、
誰よりも、心配してくれて、
誰よりも、理解してくれて、
誰よりも、愛してくれたのは、
自分だったことに、
気がついたのである。
そんな自分を、信じて、
大切にして、生きていきたいと思う。