危険や孤独や恐怖を学ぶ

今では、すっかり、

都会の仲間入りした、我が街にも、

昭和の時代には、

素朴な森や、池や、小川があった。

 

現代の子供達の様に、

親の監視下の元ではなく、

親の目を盗んで行ける、

遊び場は、いくらでもあった。

 

自由ではあるが、

危険も背中合わせである。

もちろん、

連絡できる携帯などはない。

 

アクシデントにあえば、

自力で脱出せねばならない、

情報もないので、

落とし穴にも、陥る危険もある。

 

太陽が、燦々と降り注ぎ、

涼やかな風の中、

夢中で遊んでいると、

いつの間にか、周りは真っ暗!

 

太陽も、姿を隠し、

冷たい風が、指すように吹いている。

背筋に、凍りつくような恐怖を覚えて、

頭は真っ白!

行き慣れた道も、吹き飛んで、

パニック状態。

 

おてんば娘も、

この事態には、半べそ状態、

必死で、魔の闇から逃げ切って、

門限までに、滑り込みセーフ。

 

親に言えば、

雷が落ちるので、

何事もなかったように、

夕食の席に着く。

 

小さな心臓の鼓動は、

いつまでも、鳴り止まず、

「もう、二度と、行かない!」

と、自分が自分に約束する。

 

昔の子供達は、

一人で、危険や孤独や恐怖を、

身をもって、学んできたのである。